トップを目指す意欲と相応の実績を有し、競技力向上のために新たな技術や手法を導入する活動として、福岡県スポーツ推進基金「令和7年度トップアスリート育成助成金(イノベーション導入助成)」の対象に決定しました。
申請者:溝口 勇(株式会社加藤商会/アクシオンSS)
競 技:競泳(背泳ぎ・バタフライ)
年 代:社会人
助成対象者
溝口 勇(株式会社加藤商会/アクシオンSS)
助成対象活動
eo SwimBETTER 90 による水中ストロークのデータ化および分析に基づくフォーム改善及びFrogViewによる映像分析
【具体的な内容】
「eo SwimBETTER 90」を導入し、水中でのストローク動作を数値化。加速度、推進力、動作タイミングをリアルタイムに取得。FrogViewで撮影した水中、水上映像と合わせて分析を行う。
【現状分析】
◇導入する背景(課題等):
ストローク時の「水をつかむ感覚」は主観的で評価が難しく、再現性ある技術習得が困難。
数値化により技術指導の精度向上を図る。
【実証方法・効果】
◇ 実証方法:
交付決定後からeo SwimBETTER 90を使用開始。週1〜2回の頻度でデータ収集を行い、フォーム分析・水中映像(GoPro/FrogView)との統合的な動作解析を実施する。
本デバイスにより、以下のような泳動作の詳細な数値データを取得できる:
• 手の動きの軌道(3D)
• 1ストロークごとの出力(強さ・方向)
• 左右の推進力バランス
• ストロークのリズムと各動作時間(エントリー〜プル〜リカバリー)
• 疲労による動作変化の可視化
これらの情報を用いて、客観的かつ再現性の高いパフォーマンス改善を行う。
また今までにも行なっているレースデータ分析をデバイス導入後も継続し、成長を図る。
例)100mバタフライのレースデータ分析
◇期待される効果:
• フォームの再現性向上と左右差是正
→ 感覚に頼らない動作修正が可能に
• スイム区間の効率向上によるタイム短縮
→ 推進ロスの削減・力の集中をデータに基づいて実行
• キャッチからプル動作の無駄の削減
→ 最大推進力を生むタイミング・軌道の最適化
◇翌年度以降の見通し:
蓄積したデータにより年間強化計画を個別最適化。継続利用により自己分析能力も育成。
【最先端・新規性】
◇国内での導入状況:
一部の海外トップ選手では使用例あり。2025年5月上旬に販売開始予定のものであり、個人
主体での導入と継続測定は全国的にも先進的である。
【アイデア】
◇従来の手法や環境との違い:
感覚と映像だけのフィードバックから脱却し、具体的なデータによる即時分析と改善ループを実現。
【汎用性】
◇他のチームや競技における利用・応用の可能性
■ 競泳内の他種目
• 自由形・バタフライ・平泳ぎなどでも手の軌道・力の伝達効率はパフォーマンスに直結するため、ストローク効率の改善や左右差の可視化に活用可能。
• 特に中距離以上では、「無駄な力の削減」によるエネルギー効率改善やフォームの持久性向上に寄与できる。
■ 指導現場(コーチング・育成)
• ジュニアからトップ層まで、フォーム教育における客観的指標として活用できる。
• 将来的にはチーム全体で「見える化」されたデータを共有し、個別の課題に基づいた技術指導が実現できる。