トップを目指す意欲と相応の実績を有し、競技力向上のために新たな技術や手法を導入する活動として、福岡県スポーツ推進基金「令和６年度トップアスリート育成助成金（イノベーション導入助成）」の対象に決定しました。

申請者：ボルクバレット北九州
競　技：フットサル
年　代：社会人

ボルクバレット北九州

AI自動追尾カメラと試合データ分析システムを用いた試合分析、戦略構築及び指導者養成

【具体的な内容】
　BEPROシステム（AIカメラ、試合分析システム）を活用したリアル試合分析およびに
　クラウドを活用したデータの蓄積

【現状分析】
◇導入する背景（課題等）：
フットサルは14名のプレーヤーが試合に登録され、常時5人のプレーヤー（GK含む）が
自由に交代を行い、相互に関わり合います。また、攻守の切り替えが早く非常に展開が
早い競技です。個のスキルも当然ながら必要ですが、それぞれのセットの決められた
攻守のパターンやセットプレー、約束事をいくつも繰り出し得点を狙います。
　試合の分析は年々高度化、システム化されており、キックの精度やミスの起こった原因
をしっかりと分析することで効果的な戦略、戦術を検討でき、トレーニングを行うこと
で競技力の向上が図れると考えています。そして試合中もリアルに状況を確認することが
でき、即座の修正が可能となります。
　また、競技人口が多い競技でありながら、九州、福岡においては指導者不足も顕著で、
愛好者は相当数いるものの競技指導者が不足しています。

【実証方法・効果】
◇実証方法：
①試合ごとのデータ集計
シュート数、ミス数、ボール支配時間、ミスシーン分析、失点シーン分析、
②指導者勉強会での定期的なフィードバック、アンケート
理解度、活用度、それぞれのカテゴリーでの取り入れた結果報告
③勝敗、順位

◇期待される効果：
　　試合前：対戦相手分析を行い、ストロングポイント、ウィークポイントの洗い出し、
　　　　　　戦略、戦術の構築が行えます。
　　試合中：失点シーンや、ミスシーンを現地（タブレット）でコーチ、選手自身も
　　　　　　確認でき、戦況分析を行うことで即座に修正することが可能です。
　　試合後：試合の分析を行い、次試合の戦略、戦術を検討し効果的、効率的なトレー
ニングメニューを計画することができます。
　　対戦相手分析：該当するチームの試合を撮影分析することにより、対戦チームの戦術
　　　　　　を理解し戦術、戦略、対策を立て、トレーニングメニューを計画することが
　　　　　　できます。
　　年間：　チームのストロングポイント、ウィークポイントの洗い出しが行えます
　　　　　　個々のシュート、得点、攻守の要等のプラスポイント、失点やミス等のマイ
ナスポイントの集計により年間の評価、リクルートの指標となります。

　　指導者養成：
このシステムは、いつでもどこでも登録した指導者、指導者養成候補者も、分析され
たデータや試合映像を視聴することができ、戦術や戦略を学ぶことができます。
またトレーニングメニューの構築等、実践を学ぶツールとしても活用でき、福岡
唯一のクラブとして、福岡県内及び九州のフットサル指導者の普及、育成に活用し
ていく予定です。


◇翌年度以降の見通し：
　　　試合分析を行うほど、チームの強み、弱みが顕著にあらわれるため、選手育成はのみ
ならず選手の起用や、リクルートに活用していきます。
　また、下部組織（サテライト、U-18、U-15、スクール）にも活用シーンを広げ、若手選手の育成、タレント発掘にも活用していきます。
　九州内、福岡県内の指導者、また指導者希望者、候補者向けに独自の育成メソッド勉強会と、試合分析会を定期的に行い、指導者育成に役立てます。


【最先端・新規性】
◇国内での導入状況：
　　国内ではサッカー日本代表、Jリーグチーム等実績がありますがFリーグとしては初となります。

【アイデア】
◇従来の手法や環境との違い：
　　従来は試合を撮影後、試合を視聴しながら全ての事象をスタッフの目で確認しタグ付けを行いその後、分析を行っておりました。１試合当たり4～6時間程度を要していました。また、その分析結果からビデオクリップを作成したり共有するのに全体で1～2日を要していました。

　（システム導入後）
　撮影時点でリアルタイムにタグ付け、試合会場で必要なシーンを視聴しながら振り返ることができます。また、試合分析レポートも担当スタッフが2～4時間程度で作成、その日のうちに振り返りを行うことができます。また、ビデオクリップや試合シーンは常にクラウドに保存され、IDを持つ方はいつでもどこでも視聴できるようになります。

【汎用性】
　◇他のチームや競技における利用・応用の可能性
　現在、サッカーでの展開はかなりの実績があるのですが、フットサルへの応用は実験的な導入でもあるので共創してシステム改良を随時行っていく予定です。
　またソフトウェアの開発を行えば他競技にも応用可能だと考えます。