トップを目指す意欲と相応の実績を有し、競技力向上のために新たな技術や手法を導入する活動として、福岡県スポーツ推進基金「令和6年度トップアスリート育成助成金(イノベーション導入助成)」の対象に決定しました。
申請者:八並朋之
競 技:スピードスキー
年 代:社会人
助成対象者
八並朋之
助成対象活動
腹圧を活用するトレーニング
【具体的な内容】
腹圧を使ったパワーリフティングの高重量(200kg)の重りを持ち上げる技術を習得することで、起伏のあるコースでの高速滑走時に衝撃を吸収できる脚の使い方ができる様になると同時に、速度域が上がっても安全に止まれる脚力を付ける。
【現状分析】
◇導入する背景(課題等):
背景①私がジムでトレーニングでレッグプレスで200㎏超の重量を上げている写真をSNSに投稿したところ、海外のトップ選手の友人から男子で勝ちたかったらスクワットとデッドリフトで200㎏の重量を上げる必要があると言われていた。
背景②平滑度の高いコースでは、トップとの差がかなり縮まって来たが、時速150㎞/h 以上のスピードで滑る際にコースにコブ(起伏)があると、空気抵抗を小さくするためだけに開発してきた従来のフォーム重視の滑りでは大きく減速し、何度もあわや転倒という状況に陥った。
背景③ワックスメーカーの営業担当者から、日本のスキーレーサーは腹圧が使えていないから世界で通用しないので、腹圧のトレーニングをした方が良いと勧められ、自分のスピードスキーのフォーム構えたところを、上から押して貰ったら、ぐら付いて脚部のサスペンションが使えていないのではないかとの指摘を受けた。
【実証方法・効果】
◇実証方法: 腹圧を使った時と、使わない時で、上がる重量の変化を比較する。
腹圧を使った時と、使わない時で、GPSで比較する。
◇期待される効果:コブのあるコースでも平滑度高いコースと遜色なくスピードが出せる。
◇翌年度以降の見通し:
【最先端・新規性】
◇国内での導入状況:スキーやスノーボードの他の種目の選手がオフシーズンのウェイトトレーニングとして採用している。
【アイデア】
◇従来の手法や環境との違い:日本人は基本的に正座の文化のため、反り腰の傾向があり、背中を丸める習慣が欧米人に比べて少ないため、足腰に力が入り辛いが、高重量を上げるスクワットやデッドリフトのトレーニングを通じて、立ち方、屈み方から姿勢を見直すことで、力の出やすい姿勢が習得でき、結果的に脚もリラックスして使う事ができ、雪の状態を察知する足裏の感覚も研ぎ澄まされる。
【汎用性】
◇他のチームや競技における利用・応用の可能性
スキー競技においては、ポジションが改善され、スキー操作が容易になるため、全ての種目において応用できる。
他の競技においては、脚力を必要とする種目であれば、競技力の向上に寄与できる可能性がある。