トップを目指す意欲と相応の実績を有し、競技力向上のために新たな技術や手法を導入する活動として、福岡県スポーツ推進基金「令和4年度トップアスリート育成助成金(イノベーション導入助成)」の対象に決定しました。
申請者:西日本工業大学バドミントン部
助成対象者
西日本工業大学バドミントン部
助成対象活動
視野および視点から得られるデータをICT,情報工学,人工知能,確率統計学の観点から分析する。トップアスリートとそうでないアスリートとの視野および視野の違いを明確にし,トップアスリートの視覚に関する性質に近づけるためのトレーニングを構築する。
具体的な内容:
通常の練習において,ICT機器を用いて視野および視点の探索を行い,各選手との違いから各ショットおよびレシーブにどのような影響があるのかエビデンスを抽出し,コーチングに活かす。
また,比較用に他競技においても同様に視野・視点の探索を行う。分析の結果から視野強化に特化したトレーニングを開発し,運用といったPDCAを回す。
特にレシーブ時においてはどのような精神状態だったのか生体信号から読み取り,視野との関係を明らかにすることでその結果をトレーニングに活かす。随時国内のトップアスリートにも同様の実験を行い,トップアスリートとそうでないアスリートとの間において,視野の違いがパフォーマンスにどのように影響を及ぼすのか解明することを目指す。
国内での導入状況:
国内の大学バドミントン界において,ICTの導入を始め,視野のような生体に関わる信号を抽出し,その分析結果をトレーニング・コーチングに活かすという手法はほぼ取られていない。また,視野強化に特化したトレーニングを行っているチームはほとんどなく,さらにそれにおけるエビデンスを獲得し,トップアスリート育成に活かそうとする指導者は存在せず,国内のバドミントンチームにおいて視野強化に特化した設備を整えるチームもほぼ存在しない。
従来の手法や環境との違い:
バドミントン選手の育成方法としてはこれまでも経験論が主であり,トップアスリートの育成者は概ね過去に国内トップの経験を持っていることが多い。申請者もあるカテゴリにおいて全国トップの実績を持っているが,トップアスリートの育成者のような日本代表経験等はない。しかし,昨年度から本助成の協力を得て,経験論にICT,情報工学,人工知能,確率統計学といった,学術的要素を加えたエビデンスに基づいてトップアスリートを育成するという方法を新しく導入し,全国でも通用する選手を育成している。本申請ではこれに関する視野に特化することで,本申請内容の結果を他競技へも応用させるという汎用性が従来にはない。また,視野に特化した設備を持つチームはほとんどなく,それを導入するという点で環境面でも他チームとの差異が生まれる。
期待される効果:
実績に乏しい選手や体格やスタミナに差がある選手であっても,誰でも平等に成長することができ,それがチーム力向上につながること,エビデンスつきの指導により選手強化の際に選手自身がイメージしやすくなり,成長速度が向上することが期待される。また,これまで同様積極的なICTの導入により,継続することで常に最新のデータに基づく選手強化が可能になることも期待される。加えて,本申請内容は他競技でも重要な部位・機能に特化したトレーニングであり,汎用性が期待される。
目標
2022年以降の九州学生選手権団体2位以上の継続
2022年以降の西日本学生選手権ベスト8以上
2022年以降の全日本学生選手権ベスト16以上
計画期間
令和4年度から令和5年度